冗長性

日経オンラインから

『宇宙スタートアップのispace(アイスペース)は24日、月面着陸船「レジリエンス」の着陸失敗について、月面までの距離を測定する装置「レーザーレンジファインダー」の異常が要因だったと発表した。2027年に予定する次回の打ち上げに向け、第三者の専門家を含む新たな組織「改善タスクフォース」を立ち上げ、センサーを改良する。』

残念でしたね。民間としての成功に期待してましたが、やはり時間はかかるのでしょう。
私も品質トラブルでは他に引けを取らないと自負してますので、経験値は豊富です。「改善タスクフォース」に呼んでくれんかな。
(引けを取らないのは「トラブルを起こす方」だったりします・・)

詳細はこれからの分析によりますが、レンジファインダーのセンシングに不具合があり測距を失敗したか、降下が早すぎて減速が間に合わなかったかということのようです。
前者はセンサのノイズ(内乱よりは外乱の方らしい)、後者は(センサは正しかったとして)制御設計の問題といったところでしょうか。
外乱や制御設計だとして、多くの知見者が詰めてきた上での検討漏れだと思うので、ちょっともったいない気もしますね。

人が乗るような場合だったら、徹底的に冗長なシステムを選択するのだと思います。
航空機はその典型例。基本的に安全に関わるところは二重化しますよね。
とはいえコストはかかるし、制御も複雑になる。
商業的に成り立たせるために、どこまでリスクを取るかということかも。

今回の着陸船は、1回目の失敗をしっかりカバーしたはずということで、前回問題なかったセンサ系には、そこまでの冗長性を持たせなかったのでしょう。
でも毎回発生した不具合だけが問題なのではありません。ノイズとの関係で、たまたま問題なかった部品やシステムもあるでしょう。
本当は良品解析したいですよね。
問題なかった部分の劣化や挙動を、使用後に分析したいけど、片道切符だと難しいですね。
シミュレーション技術や、評価系の進化に期待しましょう。

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