標準化は万能か?

先日の日経から

「経済産業省は家事代行やホテルの接客といったサービス分野に関し、事業者間で品質を統一するための指針を初めてまとめる。業界団体などに共通規格づくりを促す。規格があればサービスの安全性や品質の高さなどの証明が容易で、海外展開もしやすくなる。(中略)
国家規格である日本産業規格(JIS)として定めれば品質が統一できるが、サービス分野に関する規格は少ない。1万件を超すJISのうち、サービス関連は15件にとどまる。JISは工業製品が中心だったが、2018年の法改正でサービス分野に対象を広げていた。」

悪いとは言いませんが、ちょっと思い込み過ぎ?
規格ができたとして、本当に「品質の高さ」が伝わりますかね。

ハードの場合、性能基準か指標や測定方法の基準なのかにも依りますが、粗悪品は排除できるけどユーザー目線での良し悪しを表すのは困難でした。
ソフト(サービス)はどうでしょうね。ハード以上に品質指標の設定が難しそうだし、「おもてなし」とかが規定化されるのもダメな気がします。
しかもISOじゃなくてJISですからね。インバウンドとか海外進出で通じるのか?と。

標準化はレベルの均一化なので、条件によってはレベルの高い対象を引き下げてしまう制約になる側面もあります。
当然制定サイドも理解しているでしょうから、例えばトップランナー制とか入れていくのかもしれませんね。
そう考えると、QE(品質工学)にも似てるのか。ばらつきを抑えるのが先、その上で感度を上げる・・みたいな。

でも飲食やホテルなどは既に民間の点数付けシステム(食べログとかね)がありますからね。それをベースにして、カスタマー視点の評価をもっと公正にしたり、評価されているポイントを分類したりと、デジタル・AI時代だからできることがあるような気もします。

一方で、最近、人に依存してきた品質(安全やサービス)がどんどん脆くなってきている気がするので、そういったリスクを軽減できるような評価指標はあってもよいかもね。

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