白黒ついた

白物家電の価格好調が続いているようですね。JEMAの統計値を使ってグラフ化してみました。

電気洗濯機と電気冷蔵庫を2000年から見てみると、ここ数年は特に上がっているようで、(手抜きで入れなかった2022ー23も)価格改定影響があり、さらに上昇しているようです。確かにそんな雰囲気ありますよね。
この統計、洗濯機は特に低価格品も含んでいますので、ドラム式に限ればもっと上昇しているのでしょう。
掃除機とかエアコンもそうなのかな。

逆にTVとかは下がっている感覚もあると思います。日経の記事には下降するグラフも載っていました。単純な価格だけでなく、サイズや画質の向上の割に安いという印象もありますね。
白物は上昇、黒物は下降。白黒ついたのはいいけど、なんでですかね。

技術進化という観点では、TVの方に軍配が上がりそうです。
TVは高精細、薄型・大型パネル、通信(各種メディアやサービス搭載)・・と、機能がどんどん増えた感があります。
洗濯機と冷蔵庫、確かに進化はしているけど、周辺機能に限られた進化ですよね。

現実はそうではないかもしれませんが、理論上、モノの価値は、便益(できること)を費用(価格)で割ったものです。
(価値=機能/価格)
「新製品の旧製品からの価値の増分」=「新旧の機能の差」/「新旧価格の差」
と考えれば、できることが増えたTVの方が、冷蔵庫より価値が高くなりそうです。

なぜそうではないのか、競争が前提であれば、
「ある製品分野での競合との相対的な価値の差異」=「その機能の差」/「その価格の差」となります。
重要なのは「相対的な差」です。

TVの場合は構成するデバイスの外部調達が進み、進化はすごいけど、誰が作っても同じ・・ということでした。また、パネルなどのデバイスの製造が大量生産向きであるがために、規模が拡大すれば部品価格が下がることも要因でしょう。

冷蔵庫や洗濯機、似たようなモノとはいえ、各社独自の強みを打ち出しながらそれぞれが価格を上げることに成功し、結果的に高い価格帯での競争になっています。
掃除機やエアコンはまた違った解釈もできそうです。経済は理論も実際も面白い。

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