続・々・GDP
GDPの話のついでに、「外部不経済」をおさらいしてみました。
診断士に挑まれている方なら「余剰」の分析でおなじみ。
需要供給曲線上で、消費者・生産者が得る便益を表現し、その最大化(効率化)を考えるあれです。
ここに公害などの外部影響があると、グラフ上では限界費用に変化が現れます。双方の直接の費用外ということで、社会的なコストですね。(紫部分)
結果的に、私的企業と消費者の間の取引で最大化されているはずの余剰(青+黄)が、社会全体で見れば紫分マイナスされて「緑−小さい紫」になってしまいます。
一つの対応例として、税金(ピグー税)を課すことで見かけ上の価格を上げ、需要と供給の交点を左に移動させて(税収で政府の余剰も加わり)社会的な損失を抑制することがされています。(それでも公害なしの場合に比べてちいさい紫分の損失は消えません。)
さてGDPに戻りますが、例えば経済活動に伴う環境負荷影響はGDPには(直接は)含まれません。将来の(可能性としての)損失なので、今後見込まれる利益成長と同様、結果であるGDPに含まないのは当然なのでしょう。
ただ、今後の影響は入れられないとしても、実態としては今でも誰かが何かを我慢して乗り切っているのではないでしょうか。例えば寒くても暖房入れないとか・・、本当は便益となる部分を我慢して引き下げている(つまり、需要曲線を下方移動させている)とすれば、本来あるべき需要供給の姿ではないのかも。
あくまで理屈の話ですからね。
一番良いのは、環境影響のない供給活動が進むこと、外部不経済が発生しないイノベーションに期待します。