設計と検証
若干酔った勢いですが、小言を少し。
ものづくり企業を紹介する番組を毎週、録画で見ています。
いつも技術やイノベーションに感心させられます。
ただ、今回はちょっと残念。
企業の活動自体はよかったのですが、製品設計と検証に関する部分が腹立たしい!
落下試験・低温試験・防水試験の様子が流され、それぞれの環境下で「ちゃんと動作します!」「すごーい」みたいなやりとりになっておりました。
どうなんでしょうかね。バラエティならいいけどね。ものづくり番組ですからね。
高いところから落としたり、水をいっぱいかけてもちゃんと動いた!・・・。夏休みの工作ですな。
それに耐える設計をしているはずなので動いて当然ですが、理論通りの耐性だったか、何か見逃しがなかったかについて、たとえば試験をしたサンプルを分解して検証しなければなりません。評価ではなく検証なのです。
よくある「試作を100回以上繰り返しました!」とかが一般ウケしちゃう風潮と同じですかね。
もともと設計は理論に基づきます。その際に影響するのはノイズです。温度や湿度などの環境要因、寸法や材料のばらつき、一番大きいのは人の影響ですが、経験値やシミュレーションを基に性能が要求に収まるように設計していきます。
なので、本来は一発で完成できる方がよいのです。場当たり的な試行錯誤とかは時間のムダですし、特定のノイズをかけた1回の試験の結果など、単なるプレゼン効果以外の何物でもありません。
日本人は欧米人に比べて、苦労話が好きなのはわからないでもないけど、設計者された方々はどう感じているのかな・・と思ってしまいます。
久々に管を巻いてしまいました。ご容赦を。