44歳と60歳
この話題、きっと初老のみなさんは触れたでしょうし、既に報道からも数日過ぎてしまっていますが、年ごろの私としては書かざるを得ない!
遅れを取り戻そうと、Nature Agingの記事を眺めてみました。
ざっくりまとめると、25〜75歳までの108人のコーホート分析です。最長期間は6.8年で3〜6ヶ月おきの計測だそうなので、結構すごいなと思ったりもしましたが、中央値は1.7年でした。
人ごとに複数点を計測して、人によるベースラインの違いを平均化して分析したようで、このあたりが調査のテクニックなのでしょうか。
どうやら日本語ニュースに惑わされていた感がありますが、もともと「アメリカでは脳卒中や心筋梗塞、アルツハイマーなどの発症は年齢に比例せず、これらの病気のリスクは特定の時点で加速する」つまり「人間の老化の過程が単純な線形傾向ではない」ことは統計も含めて示されていて、各種因子(加齢に相関がある分子マーカ)を時系列的に分析したらその関係が分かるのでは、という研究のようです。(素人が解釈しているので、ほどほどに信用してください)
それで、「解析の結果、加齢の分子マーカーには一貫した非線形パターンがあり、実質的な調節異常は、年齢がおよそ44歳と60歳の2つの大きな時期に起こることが明らかになった。また、これらの時期に関連する特徴的な分子や機能的経路も同定された。例えば、免疫調節や糖質代謝は60歳の移行期に、心血管疾患、脂質、アルコール代謝は40歳の移行期に変化した。」ということまで分かってきたというのが、今回のニュースにつながっているようです。変曲点の年齢が出てきたのでニュース価値があったのでしょう。(正直、NatureAgingの記事にある図を眺めても、私にはビミョーに見えますが・・・)
どっちにせよ、既に40歳の移行期は遠い過去ですからね・・。脂身もほどほどでないと苦しいし、お酒も弱くなりました。
60歳の移行期は近づいてくるので、自分の健康診断結果の変化でも眺めてみますかね。