Serendipity
今日の日経のThe Styleに気になる記事発見。
10年前、奇妙な芝が見つかった。場所は兵庫県川西市の鳴尾ゴルフ倶楽部。・・・1番グリーンの中に、葉が細くて柔らかく、密に生えている芝があった。
という話から始まります。(川西に住んでいた私としては見逃せない)
その芝は周囲の姫高麗芝と違い、葉が上ではなく横に伸びる性質があるそうで、どうやら突然変異種でしょうか。グリーン上は伸びてもすぐ刈られますからね。まさに進化論!
調査に協力した鳥取県芝生産組合のHPには、もう少し具体的な記載がありました。
「2014年、兵庫県川西市の鳴尾ゴルフ倶楽部の1番グリーンの中に緻密ながらも高麗芝よりも勢いの良い新種の芝が発見されました。当初、緻密な芝は生育が弱い系統のひとつとして捉えられてきました。しかしながら、同倶楽部の技術者によって研究を行っていった結果、経年により衰えず、高麗芝にも負けずに被覆していく稀な特性であることが判明しました。非常に緻密でありながら被覆する力は在来種と同等であることから、様々な緑地への利用可能性を秘めた芝として、評価中の日本芝となります。」
とのこと。ナルオターフという商標で商品化されているそうです。
なによりも「ナルオターフ®は、芝刈りを実施しないで維持管理できますが、1年で1~2回程度芝刈り作業をすることで、より景観性を維持することが可能です。」というのがスゴイ!
初めて家を建てた頃は、皆さん同様、私も庭に芝貼りました。箱庭くらいの広さでしたけど、それでも手入れが大変。数年経ってテラコッタ貼りにしたくらいです。
こんな芝が出てきたら、そりゃ使いたくなりますね。天然芝でのパット練習も夢じゃない!
それはさておき、勝手な推測ですが、グリーンキーパーや管理部門の方々は、きっといつも芝のことをいろいろ考えていたのでしょう。天候が芝の生育に厳しくなった昨今はことさらだと思います。
そうやって常に悩んでいるからこそ、ちょっとした変異種に興味を持ち、研究が始まったのではないでしょうか。
私の中では、Serendipityのよい見本です。研究開発も同じ、どれだけ悩むか、悩めばきっと偶然が寄ってくるし、寄ってきた偶然に気づく、そんな話が大好きです。