修理する権利

欧州市場とはいえ、日本企業も今後影響を受けるのでしょう。結構なインパクトがあるのかも。

「EUの主要機関は、消費者が家電製品を「修理する権利」を認め、一つの製品をより長く使える環境整備を企業に義務付ける法案で大筋合意した。スマートフォンや掃除機などを手ごろな価格で直せるようにし、使い捨てを防止する。新法案は製品の修理や再利用を促す「サーキュラーエコノミー(循環経済)」計画の一環。
EUの法令で定めた製品を対象とする。欧州に進出する日本企業も対応を迫られる。
メーカーに対し、既存の保証期間の終了後も消費者が何らかの形で修理できるような仕組みを整えさせる。保証期間終了後は、独立した修理業者が修理しやすい環境をつくる。」(2/4日本経済新聞より一部抜粋)

スマホは別として、家電製品で気になるのは以下の点。

◾️必ずとは言わないけど、ベースとなる構成や基本レイアウトなどが固定されがちになり、結果的に(構造に影響する)新機能の追加が難しくなる。
もともと欧州企業の製品ってそんな感じが多いですかね。日本みたいにムダに機能追加ばっかりする市場じゃないから成り立つのかも。ただ日本企業の競争スタイルには影響。

◾️3rdパーティーが修理に関わるようになり、万が一修理品で事故が起きた際に責任の所在がはっきりしなくなる。(とはいえ、昔の日本はオヤジや家電店やがやってくれてたじゃん・・的な理解もよいのかも。)
実施に至れば、日本の輸出企業は、現地の修理業者にお金とデータ(顧客・設計)を吸い上げられないような工夫が必要ですね。将来的に儲かるはずのアフターサービス事業が、競争に巻き込まれるということでしょうから。

◾️サーキュラーエコノミーの一環、という考え自体は分かるものの、トータルでGHG抑制とかにつながるかはっきしりない。
もともと家電などはPLCに占める使用時のCO2が大半ですよね。数年〜10年に一回棄てるのが延びたとして、性能自体の向上で使用時CO2が大きく抑えられるなら、どっちが気候変動対策に効くかなぁと思ってしまいます。

モノを安易に棄てるのは反対だし、気候変動対策自体は重要だけどね。
この手の話はいつの間にか目的から外れていって、そして非関税障壁化されて、欧州にお金をむしり取られるパターンだと思うので、要注意ですね。

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