毛細管現象
東大の生産技術研の発表から。「埋め込み冷却」という半導体の水冷技術。
今までも水冷って言葉は聞いてたけど、パッケージの外(ヒートシンクとか)からだと思い込んでおりました。
チップ自体に小さな水路を直接作るそうです。
ただ、流路もμオーダーなので、接触とか気化とかをうまく制御するのが難しかったとのこと
今回は、2つのシリコン基板に、それぞれマニホールド構造とキャピラリー構造を持たせたもの。
マニホールドで冷却水を効率よく分布させた上で、キャピラリー構造として流路の端に微細な柱(マイクロピラー)を立てることで、毛細管現象を利用してチップと液の接触を安定させつつ、流路中央は気化した蒸気が通る形となり、全体の熱吸収と排熱の効率が上がるようです。(リンクの中の絵を見るとなんとなく理解できます)
流路といってもマイクロだし、ピラーと壁面の距離は10μm程度っぽい。
まあチップの分野では全然大きいのでしょうけどね。
結果としてCOPは105以上。他の方式と比べて桁が違うようです。
半導体の利用と消費電力が爆発的に増えていく中、さまざまな方式でチップ自体の低消費化も検討されていますが、周辺技術もどんどん進化するようです。面白い。