ABO3 ※3は下付き文字
ABO3、馴染みの方もいらっしゃるでしょう。
ペロブスカイト構造を取る酸化物の組成でした。今じゃちょっと違いますけどね。
思い出してみれば私の卒論も、(うろ覚えだけど)「Ruを含む3元系酸化物の構造」みたいなテーマでした。
混ぜて焼けばとりあえず作れるし、混ぜ物の金属を3つにして比率を工夫すれば、Aの部分が2種の金属からなる化合物が作れて、その組成に由来する機能が発揮できる(かもしれない)ということで、怠け者学生の私にはちょうど良いテーマでした。
ちょうどその頃に超伝導が発見されて、ペロブスカイトの認知が向上した覚えがあります。
(研究室でトレースしたけど、発現させられませんでしたが・・)
組成でした(過去形)。今じゃちょっと違う・・と書いたのは、最近はABX3ですかね。
酸化物でなくても作り出せる。例えばヨウ素を利用したペロブスカイト構造のABI3はかなり前に作られていました。
そこに加えてABを工夫すれば、すごい特性があることがどんどん発見されています。
(設計して作り出している面もあるので、発明という方がいいかもしれません。)
代表例はペロブスカイト太陽電池。Aにメチルアミン(CH3NH3)、Bに鉛(Pb)、Xにヨウ素(I)とかですね。
個人的には有機化合物を持ってきたところが素晴らしいと感じます。
評価が高いのは、材料が日本で調達しやすい点と製造が容易な点。
鉛は鉱山があるし、ヨウ素に至っては海から取り放題。
製造も混ぜて塗ったらできる!(というのは言い過ぎだけど)Si系のようにウェーハ上で形成するような難しさは不要。
塗って作れるから、フィルムなどにも形成可能。
寿命はまだまだだそうですが、そのうちもっと色々なものに塗工されちゃうんでしょう。
正直やってる意味が分かってなかった卒業研究も、意外といい線だったんじゃん。
お世話になった先生方に、今更ながら感謝。